赤ワイン・白ワイン・ロゼワイン・オレンジワインの違いとは?

ワインの基礎

ワインの世界は奥深く、専門的な用語も多いため、初心者にとって「何から理解すればいいのか分からない」と感じることも少なくありません。その最初のステップとしておすすめなのが、ワインのスタイルを大きく分けた「赤・白・ロゼ・オレンジ」の違いを知ることです。色や味わいの印象はもちろん、原料や造り方の違いを理解すると、レストランやワインショップでの選び方がぐっと楽になります。

赤ワイン

赤ワインは黒ブドウ(例:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワールなど)から造られます。最大の特徴は「果皮ごと発酵させる」こと。ブドウの皮に含まれる色素(アントシアニン)がワインに赤い色を与え、さらに種や果皮に多く含まれるタンニンが渋みを生み出します。タンニンは肉料理の脂を洗い流し、料理を引き締める役割を果たすため、「赤ワインは肉に合う」という定番イメージが生まれました。味わいは軽やかなものから力強く重厚なものまで幅広く、熟成によってスパイスや土っぽさなど複雑なニュアンスが出てきます。

白ワイン

白ワインは、基本的に果皮や種を取り除き、果汁だけを発酵させて造られます。ブドウは白ブドウ(例:シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングなど)が主流ですが、黒ブドウを用いても皮を取り除けば白ワインになります。色は透明感のある黄色から黄金色まで。酸味が爽やかで、フルーツや花のような香りを楽しめるものが多く、魚料理やサラダ、和食とも合わせやすいのが特徴です。また、樽熟成させることでバターやナッツのような香りをまとい、クリーミーな料理と好相性になります。

ロゼワイン

赤と白の中間に位置するロゼワイン。淡いピンク色が美しいスタイルで、近年世界的に人気が高まっています。造り方は大きく2種類。ひとつは黒ブドウの皮を短時間だけ果汁に浸して色を移す「セニエ法」や「マセラシオン法」。もうひとつは赤ワインと白ワインをブレンドする方法です(EUではスパークリングワイン以外、後者は認められていません)。味わいは軽やかでフルーティ、時には赤ワインの要素も感じられるため、和食からエスニックまで幅広く対応できます。見た目の華やかさもあり、カジュアルなパーティやアウトドアで活躍する万能タイプです。

オレンジワイン

近年注目を集める「第4のカテゴリー」がオレンジワイン。白ブドウを使いながらも、赤ワインと同じように果皮や種と一緒に発酵させることで、オレンジ色を帯びた独特の色調が生まれます。果皮由来のタンニンがあるため、白ワインにはない渋みや厚みを持ち、ハーブやスパイス、ナッツのような複雑な香りが感じられます。伝統的にはジョージア(グルジア)などで古くから造られてきましたが、今では世界各地で人気が広がり、ナチュラルワインの象徴的存在にもなっています。和食では煮物や発酵食品との相性が良く、日本人の食文化にもフィットするワインです。

まとめ

赤・白・ロゼ・オレンジという4つのスタイルは、色や味わいだけでなく、「果皮を使うかどうか」「熟成方法」「ブドウの種類」といった造り方の違いによって生まれます。初心者の方は、まずは色と味わいの基本を知ることで、自分の好みに合った1本を見つけやすくなるでしょう。そして慣れてきたら、造り手や地域、ブドウ品種の個性に目を向けると、ワインの楽しみ方はさらに広がります。

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