コンセプト

握る手が導く、新しいワインペアリングのかたち
 

「鮨にワインは本当に合うのか?」
このシンプルでいて奥深い問いに、鮨を愛し、ワインに取り憑かれた一人のマニアが挑みます。

私は職人でも飲食店従事者でもありません。ただの無類の鮨好きであり、ワインオタクです。けれどもその情熱ゆえに、鮨の学校で修業を積み、釣り人として自ら魚を釣り上げては捌き、握りに仕立てる―そんな日々を重ねてきました。そしてもう一方では、世界各国のワインを飲み漁り、その数や種類はもはやオタク的数に登ります。舌と記憶の中に刻まれた膨大なワイン体験が、鮨との出会いを待ち構えています。

平日は都内の鮨屋を渡り歩き、職人の手仕事に見惚れながら「このネタに合うのはどのワインだろう」と考えを巡らせる。週末は自宅のカウンターに立ち、握り手となってシャリとネタを合わせ、自分流の鮨を一貫ずつ生み出す。その横には、必ずワインのグラスが並びます。鮨とワインをつなぐ小さな実験室のような日常。その記録と発見を、このサイトで皆さまにシェアしていきます。

鮨は四季を映す芸術です。春の桜鯛、夏の鯵、秋の秋刀魚、冬の寒鰤。それぞれの旬が持つ旨味に、ワインはどう寄り添うのか。酸が引き立てるのか、樽香が包み込むのか、それとも果実味がコントラストを描くのか。ペアリングの答えは一つではありません。だからこそ、その探求は果てしなく、そして楽しいのです。

ここは、ただの鮨ブログでも、ただのワイン解説サイトでもありません。鮨とワインという二つの深淵の「あいだ」に分け入り、新しい味覚体験を紡ぎ出すための実験場です。知識や格式よりも、好奇心と遊び心。握る手と注がれるグラスが導く“マリアージュ”のかたちを、ぜひ一緒に覗いてみませんか。

ようこそ、鮨とワインの沼へ。ここから先は、一度踏み込めば戻れない世界。あなたの舌と心を、きっと虜にしてしまうでしょう。