- 和名:小肌(コノシロの若魚)
- 分類:ニシン目コノシロ科
◯ 主な産地(日本国内)
東京湾、三河湾、播磨灘、有明海など。江戸前寿司の黎明期から“光物の花形”として扱われてきた。特に東京湾産は「江戸前コハダ」として、江戸前鮨の文化を体現する存在。
◯ 旬の時期と生態
- 旬:初夏から秋(6〜10月)
盛夏の小ぶりで脂がのった時期が特に珍重される。冬場は身が硬くなりやすい。 - 生態:小肌は出世魚で、シンコ(新子)→コハダ(小肌)→コノシロと成長する。鮨で最も価値が高いのは、掌に収まる小肌サイズ。大きくなると価値は下がり、寿司ではほとんど使われない。
◯ 味わいの特徴
小肌は脂のりと旨味がありながら、酢で締めることでその香りと脂が調和する。鮨職人の酢加減ひとつで味わいが決まる“仕事ネタ”の代表であり、光物の美学を体現する。