職人が施す手仕事
①下処理
花鯛は三枚におろし、皮目を残したまま薄塩をあて、30分ほどおいてから昆布を加えた米酢にすだち果汁を少量加えた酢で軽く締めます。締め時間は30分~1時間ほど。締めすぎると酸が勝ってしまうため、ネタの繊細さを意識した短時間仕込みが基本です。
②味つけ・仕上げ
皮目は炙るか炙らないかで印象が大きく変わります。今回は皮目を残したまま炙らずに供し、桜の蕾を塩漬けにしたアクセントを添えて香りを立たせるスタイル。純粋な酢締めの香味と、白身のテクスチャーがそのままシャリと重なります。
③シャリとのバランス調整
酢締めという技法自体に酸があるため、シャリ側は米酢を主体にし、赤酢を少量加えることで奥行きを補強。塩味を抑えめにし、素材の酸味とのなじみを重視した設計です。
コメント